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この旅では世界遺産「明治日本の産業革命遺産」の地をいくつか回りましたが、その一つが宇城市にある三角西港です。宇土半島と天草諸島の間にある海峡に面した港で、日本最初の近代的港湾として造られ1887年に開港しました。
三池炭鉱の石炭をここで大型船に積み替えて輸出するのが主要な役割でしたが、1899年にすぐ隣の三角東港まで鉄道が敷設されるとその役割は東港に奪われていきました。その結果三角西港は日本でただ一つ、明治の姿がそのまま残る港として今に残りました。
その姿を代表するものが世界遺産に登録されている石積の埠頭です。
オランダ人技師ムルドルの設計と日本人石工の技術が融合したものです。
埠頭のそばには当時の建物も残されています。これは旧三角海運倉庫。
次は小泉八雲も立ち寄った旅館浦島屋を再現したもの。
高田回漕店。
埠頭から少し入った山裾には当時の官庁施設が残っています。
旧三角簡易裁判所。
旧宇土郡役所。
旧宇土郡役所の建物は現在も船員を養成する海技学院として利用されています。
観光客が溢れていることもなく、土産物屋が並んでいる訳でもなく、町全体がタイムスリップしたような不思議な空間でした。